蕎麦には「ルチン」というポリフェノールが含まれていますが、このルチンに育毛効果があることを知っていますか。
蕎麦ならばアレルギーでない限り、食べるのが苦になる人はあまりいませんので、楽に育毛効果が味わえそうです。ルチンにはどのような働きがあり、どのような形で育毛に貢献しているのかについて説明していきましょう。
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ルチンにはどのような働きがあるのか
ルチンの働きは大きく分けて2つです。抗酸化作用と抗炎症作用、血管を丈夫にしてくれる働きです。それぞれ、どのような形で育毛に貢献しているのでしょうか。
1.抗酸化作用
体内には活性酸素という物質があり、病原菌を退治するなど免疫力をアップしてくれる効果があります。ただ、活性酸素は増えすぎると正常な細胞まで傷つけて老化の原因を作るなど、体に悪影響を与えてしまいます。
抗酸化作用とは、この活性酸素の働きを抑えるものです。
抗酸化作用によってもたらされる効果のうち、育毛に関係がありそうなものは、動脈硬化と頭皮の効果を防止してくれることです。
動脈硬化はLDLコレステロールが活性酸素によって変質し、血管の内壁に付着することによって起こります。これによって血管内部が狭くなれば血流が悪化し、毛根に十分な栄養分が届かなくなり、頭髪の成長が妨げられます。
ルチンの抗酸化作用は、これを防止してくれるのです。
また、活性酸素によって頭皮の細胞が傷つけられると、劣化して硬くなってしまいます。
これによって血管が圧迫されて血流が悪化するだけではなく、発毛剤や育毛剤が浸透しにくくなり、AGA(男性型脱毛症)をはじめとする薄毛の治療効果が落ちてしまいます。
活性酸素によって頭皮の硬化を防ぐことで、血流の悪化を防止し、薄毛の治療効果を高めることができるのです。
ちなみに、ルチンには同じ抗酸化作用を持つビタミンCの吸収を助けてくれる働きもありますので、相乗効果が期待できそうです。
2.血管を丈夫にする作用
動脈硬化や糖尿病、高血圧などは毛細血管にダメージを与え、弱らせる原因となります。毛細血管が弱くなると血流が悪化し、上にも書きましたように頭髪の成長に悪影響を与えてしまいます。
ルチンには、毛細血管を強化してくれる働きもあるのです。これによって血流を良い状態に保つことが、育毛効果につながってくれるのです。
余談ですが、血管を丈夫にしておくことで、脳卒中をはじめとする出血性の疾患を防止することもできます。
薄毛でない人にとっても、血管を丈夫にしておくことのメリットは大きいのです。
3.抗炎症作用
頭髪を「作物」とするならば、頭皮は「畑」のようなもので、頭皮の状態が悪化すれば頭髪にも悪影響を及ぼします。
例えば、不十分な洗髪やストレスによって頭皮の皮脂が過剰な状態になれば、毛穴に詰まって炎症を起こし、脂漏性脱毛症の原因となります。
また、過剰な洗髪や紫外線の影響などで頭皮が乾燥してしまうと、フケが増えて毛穴に詰まり、炎症を起こして粃糠性脱毛症の原因となります。薄毛の原因といえばAGAが注目されがちですが、それ以外にも原因はあるのです。
ルチンの抗炎症作用は、皮脂や毛穴が詰まってしまったときに炎症を起こさないようにしたり、炎症を起こした場合でも治癒を早めたりしてくれるものです。また、マラセチア菌をはじめとする雑菌を退治してくれる効果もあります。
これによって炎症が重症化して脱毛症につながることを防止できるというわけです。
ルチンはどのような食べ物に含まれているのか
このように、ルチンには育毛に役立つ効果があるのです。
実は蕎麦以外にもルチンを含んでいる食べ物がありますが、それはどのようなものでしょうか。
アスパラガス
ルチンの含有量は100グラム当たり43ミリグラムで、穂先の部分に多く含まれているといわれています。
蕎麦が10~20ミリグラムですから、ほぼその2倍です。ルチン以外にもビタミンEを含んでおり、抗酸化作用の相乗効果が期待できます。
ホウレン草
ルチンに加えてビタミンCが含まれています。
上にも書きましたが、ルチンはビタミンCの吸収率を高めてくれますので、より高い抗酸化作用が望めます。
レバー
ルチン以外に含まれている栄養素として、ビタミンB2があります。
ビタミンB2は毛母細胞の分裂を活発にしてくれる働きのある「育毛ビタミン」ですので、積極的に摂取していきましょう。
イチジク
ルチンに加え、植物性エストロゲンを含んでいるとされています。
女性ホルモンに似た効果があり、AGAの原因である男性ホルモン由来物質・DHT(ジヒドロテストステロン)の働きを抑え、頭髪の成長を促してくれることが期待できます。
これらはルチン以外にも頭髪の成長に効果がある栄養分が含まれており、育毛にオススメです。蕎麦同様、積極的に摂取していくといいかもしれませんね。