男性型脱毛症に5αリダクターゼが関係していることを知っている方は多くいらっしゃると思います。さて、薄毛の原因である5αリダクターゼとは何なのでしょうか?
5αリダクターゼを抑えることができれば、薄毛も改善できるはず。今回は薄毛対策を実施している方や薄毛に悩んでいる方に対して、5αリダクターゼの抑制方法について解説していきます。
5αリダクターゼとは?
この章では男性型脱毛症の原因である5αリダクターゼとは何かについて解説します。
5αリダクターゼの正体
5αリダクターゼの正体は人の身体の中にある酵素です。
酵素とは消化や代謝、傷を治癒するといったさまざまな身体の反応を手助けする物質です。人間が生きていく上で必要不可欠なものなのです。
酵素には食材に含まれる食物酵素と人間の体内に持っている潜在酵素の2種類があります。このうち潜在酵素は消化酵素と代謝酵素、還元酵素に分けられます。
消化酵素は文字通り消化を手助けする酵素で、代謝酵素は体内のエネルギーを変える働きをもつ酵素です。さらに体内には酸化還元を行う還元酵素があります。
5αリダクターゼは還元酵素なのです。5αリダクターゼはホルモンの働きを変える酵素で、男性ホルモンであるテストステロンに作用してジヒドロテストステロンというテストステロンよりも強い作用を示すホルモンへ変えています。
また、5αリダクターゼには1型と2型があります。
1型5αリダクターゼは皮脂腺に多くあり、皮脂の分泌が多い人が特徴です。2型5αリダクターゼは毛の根元である毛乳頭に多くあり、ひげなどの体毛が多い人が特徴です。
さらに1型5αリダクターゼは側頭部や後頭部に多く、2型5αリダクターゼは頭頂部や前頭部に多く存在しています。
参考URL AGAルネッサンスクリニック(https://www.rs-clinic.com/menu/aga_5a.html)
テストステロンとジヒドロテストステロンの働き
ここで先ほど挙げたテストステロンとジヒドロテストステロンの働きについて解説します。
テストステロンは男性で分泌量が多いホルモンです。テストステロンは胎児期から分泌されており、男性生殖器の発達を促します。思春期になると男性の第二次性徴に作用して、声変わりや太い骨格となったり、陰茎や睾丸が発育します。
そしてテストステロンは骨や筋肉を強くする、体毛を濃くする、性欲を高める、性機能を維持するという作用を示すのです。この他、身体の不要物を排出するための一酸化炭素を作り出す働きがあります。不要物を排出することで高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防につながるといわれています。
ジヒドロテストステロンはテストステロンが強力になったホルモンです。胎児期でも産生されており、主に男性外性器の発達に作用します。
思春期を過ぎると、男性型脱毛症を引き起こす要因となったり、前立腺肥大が生じることがあります。テストステロンが体毛を濃くする作用があるのに対し、ジヒドロテストステロンは男性型脱毛症を引き起こす一端を担っているという点に違いがあります。
参考URL
メンズヘルスクリニック東京
(http://www.menshealth-tokyo.com/performance/column_01/report03.html)
男性型脱毛症と5αリダクターゼの関係
次に5αリダクターゼが男性型脱毛症を引き起こすメカニズムについて解説します。
5αリダクターゼによってテストステロンがジヒドロテストステロンに変わると、ジヒドロテストステロンは毛乳頭にある男性ホルモン受容体と結合します。男性ホルモン受容体と結合することによって、TGF-βというサイトカインがつくられます。TGF-βは脱毛因子と呼ばれているサイトカインで薄毛を促進するように命令を出すのです。
薄毛促進の命令が出ることによって、髪が成長する時期にあったとしても成長が止まる時期へ入ってしまします。
髪には成長する時期と成長が止まって新しい髪へ生え変わる時期を繰り返しているのですが、一般的にこのサイクルは5~6年です。このうち髪が成長するのにかかる時間は5年です。TGF-βの働きによって髪の成長が止まってしまい、成長する前に抜けてしまいます。
よってどんどん薄毛が進行していくことになります。
5αリダクターゼと遺伝
薄毛は遺伝することを耳にした方は多いと思います。では、5αリダクターゼは遺伝と関わっているのでしょうか?
5αリダクターゼはもともと人間が持っている酵素です。我々全員が持っている酵素にも関わらず、薄毛になる人とそうでない人がいます。
その理由は5αリダクターゼが活性しやすいかどうかという点にあります。5αリダクターゼが働きやすいとその分薄毛は進みますし、働きにくいと薄毛は進行しません。
実は活性のしやすさは遺伝によって決まるのです。5αリダクターゼが働きやすい遺伝子を持っていると薄毛になりやすくなります。そして、5αリダクターゼが働きやすい遺伝子は優性遺伝であることから、父母どちらかがこの遺伝子を持っているとその子どもに遺伝することになります。
5αリダクターゼの抑制方法
ここでは5αリダクターゼの抑制方法について解説します。
薬物治療
5αリダクターゼを抑制するとして広く知られているのが、フィナステリドです。薬剤であることから医師の処方が必要で、発毛クリニックの治療で使われています。
フィナステリドには内服薬と外用薬があり、どちらも同じ作用を示します。フィナステリドを使用すると、髪の根元の毛母細胞内にある5αリダクターゼを抑制してテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されることを防ぎます。よって薄毛が改善されるのです。
しかしフィナステリドは薬剤であることから、効果があれば副作用もあります。起こり得る副作用は肝機能障害や性欲減退、勃起障害です。副作用が出現した場合や何らかの体調不良が起こった時は服用を中止することがあります。
フィナステリドを安全に使用するためには、いくつか注意するポイントがあります。まずは20歳未満の男性は使用できないことです。未成年使用の安全性が確立されていないため、20歳を過ぎてから使用する薬剤となっています。次にフィナステリドを服用開始したら最低でも6か月間は続けることです。
薄毛に対する効果がでるようになるには、半年以上の時間が必要です。そして1日の服用上限量は1mgとなります。
最後にフィナステリド服用中は献血しないことです。内服薬の場合、フィナステリドの成分は血液に入って毛母細胞へ届けられます。献血をすると、フィナステリドが入った血液が体内から出てしまうことになるため効果が得られなくなるのです。
安全に効果を得るためにも、医師と十分に相談しながら使用しましょう。
亜鉛を摂取
5αリダクターゼを抑制する方法として亜鉛の摂取があります。
亜鉛は5αリダクターゼを抑制する他に、たんぱく質の合成や皮膚を健康に保つ働きがあります。さらに髪の表面層であるキューティクルをつくることにも関わっているため、薄毛の抑制だけではなく髪の質も保つことができるのです。
亜鉛が多く含まれている食材には、
- 牡蠣
- タラバガニ
- ホヤ
- 牛肉、豚肉、鶏肉
- パルメザンチーズ
などがあります。
しかしながら摂り過ぎはよくありません。一度に多量の亜鉛(2g)を摂取すると急性亜鉛中毒になります。2gという亜鉛の量は通常の食事では摂ることのない量ですが、サプリメントを多量に摂取するなどすると起こりえます。急性亜鉛中毒になると眩暈や嘔吐、発熱などの症状が出現します。
成人男性の場合、亜鉛の推奨摂取量は1日10mgです。年齢別でみると、20歳代は10~40mg(上限)、30~50歳代は10~45mg(上限)となっています。
また、亜鉛を積極的に摂取することで食事に偏りが出るのは避けましょう。朝、昼、晩の3食を摂取すること、亜鉛以外の他の栄養素もバランスよく摂取することが大切です。
育毛サプリメント
5αリダクターゼを抑制する育毛サプリメントには亜鉛を含むものやノコギシヤシを含むものがあります。ノコギリヤシとは、ヤシ科の植物で5αリダクターゼを抑制する他に頭皮の炎症を抑える作用があります。
育毛サプリメントは食事で栄養素を摂取することに比べて料理の時間を省くことができるため、簡単に始めることができます。しかし育毛サプリメントに頼りすぎては効果が得られません。育毛サプリメントの効果を十分に得るためにも毎日の食事は大切にしましょう。
育毛剤
育毛剤は育毛サプリメントともに5αリダクターゼを抑制する作用をもつ商品があります。育毛剤は誰でも簡単に購入して使用することができるため簡単に始められます。
育毛剤の効果を得るためには、育毛剤を頭皮へ塗布する前にシャンプーをして頭皮を清潔にしておくことが大切です。
運動をする
ここからはこれまでの方法の他に、補足的に5αリダクターゼを抑制する効果的な方法をご紹介します。
まずは適度な運動をすることです。運動は全身の血流を促進するため、頭皮の血流も良くなります。髪への栄養は血液によって運ばれるため、血行が悪いとスムーズに栄養が行き渡りません。
身体に負担の少ないウォーキングやジョギングがおすすめです。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないことも大切です。ストレスは交感神経を活発にするため血流を悪くするのです。ストレスを溜めないためには、先に述べた運動をすることや睡眠をしっかりとること、趣味などのストレス発散できる手段をもつことが必要です。
特に睡眠は髪の成長と深く関わっています。眠ってから約3時間後に髪の成長にかかせない成長ホルモンがたくさん分泌されるため、睡眠時間を確保する必要があります。
5αリダクターゼを抑制できる育毛サプリメントと育毛剤
5αリダクターゼを抑制する方法は様々ありますが、誰でも手に入り手軽に始めることができるのは育毛サプリメントや育毛剤です。この章では、5αリダクターゼを抑制できる育毛サプリメントと育毛剤についてご紹介します。
育毛サプリメント
チャップアップサプリメント

育毛剤としても有名なチャップアップはサプリメントも販売しています。このサプリメントは健康補助食品で、亜鉛を豊富に含んでいる他にノコギリヤシも豊富に配合されています。原産国は日本なので、安心して飲むことができます。
就寝前に飲むことが推奨されています。
育毛剤のチャップアップと併用して使用することも可能です。
(商品URL http://chapup.jp/user_data/about_ingredient.php)
フェルサ ノコギシヤシミレットサプリ
こちらの商品は5αリダクターゼを抑制するとされているノコギシヤシや亜鉛を豊富に配合したサプリメントです。その他髪の成長にかかせないアミノ酸を配合するなど、5αリダクターゼの抑制とともに育毛にも力を入れたサプリメントです。さらに、使用後に合わないと感じたら商品が手元に届き30日以内であれば全額返金保証がついているため、お試し感覚で使用することが可能です。
1日2粒を目安に使用することが推奨されています。
(商品URL http://fuerza.info/products/detail24.html)
Growth Project. BOSTON
BOSTONはバランスの良い配合を重視したサプリメントです。ノコギリヤシ、亜鉛、イソフラボン、コラーゲンペプチドをバランス良く配合しています。
こちらの商品は国内生産されているため、品質の面で安心できます。さらに育毛サプリを購入したことを知られることに抵抗がある場合は、配慮してくれます。
配送時に商品の中身を無記名にすることや発送を営業所止めにすることが可能です。育毛サプリメントを注文したことが他に人に知られることがありません。そして、商品のパッケージには育毛に関する言葉の記載がないため人目を気にすることなく使用できます。
(商品URL https://g-prj.com/product/177)
育毛剤
5αリダクターゼを抑制する成分として亜鉛やノコギリヤシがありますが、その他にオウゴンエキス、キャピキシル、ヒオウギエキスがあります。これらの成分も含んだ育毛剤をご紹介いたします。
IQOS
IQOSは育毛に必要な多くの成分を含んでいる育毛剤です。その中でも5αリダクターゼを抑制する効果があるオウゴンエキスやヒオウギ抽出液が含まれています。
その他炎症を抑えたり、保湿する成分も含まれています。さらに「低分子ナノ水」を使用しており直接髪の根元である毛乳頭に浸透させることが可能な育毛剤です。
日本国内の工場で生産しているため安心して使うことができます。
(商品URL http://iqos-official.jp/user_data/LP1.php)
フィンジア
こちらの商品は育毛成分の濃度が高いことが特徴です。5αリダクターゼを抑制する効果があるキャピキシルが5%と通常の3倍の濃度で含まれています。キャピキシルとはLUCAS MEYER COSMETICSというカナダの化粧品会社が開発して成分で、アカツメクサという植物エキスとアセチルテトラペプチド-3という成長因子を合成した成分です。
アカツメクサは女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用を示すイソフラボンを含んでおり、男性ホルモンに対して拮抗作用を示します。
アセチルテトラペプチド-3は育毛にかかせないアミノ酸です。効果に満足できない場合は、商品を受け取ってから30日以内だと全額返金保証があります。
(商品URL http://finjia.jp/gl1/guide.html#cashback)
チャップアップ
こちらの商品は育毛サプリメントの章でご紹介しましたが、育毛剤の中では有名な商品で多くのメディアに取り上げられています。
5αリダクターゼを抑制するオウゴンエキスとヒオウギエキスを含んだ8種類の成分が含まれています。さらに永久返金保証がついているため、満足できない場合は期限なく商品代金の返金が可能です。
(商品URL http://chapup.jp/)
今回は5αリダクターゼの抑制方法について解説しました。5αリダクターゼは男性ホルモンであるテストステロンを強力なジヒドロテストステロンに変換する酵素で、男性型脱毛症の要因です。抑制方法は薬剤の使用や食事・運動、育毛サプリメントや育毛剤の使用などたくさんあります。
この中で自分の体調に合った方法を取り入れて薄毛対策を実践してください。個人的にはどれか1つの方法ではなく、育毛剤・育毛サプリメントと食事や運動を取り入れるというように、組み合わせて実践すると良いのではないかと思います。
この記事が薄毛対策を実践している方や薄毛に悩んでいる方の参考になれば幸いです。